この無目的的散歩は、ブログに手をつけてしまった男たちが散歩の初心に立ち帰るための場所です。
新宿から京王線で揺られること、約20分。 我々が降り立ったのは千歳烏山。
千歳烏山といういかつい名前とは裏腹に、駅は結構こじんまりとしていた。勝手にもっと大きいのかと思っていた。
駅の前には商店街。落ち着いた雰囲気がなんとも居心地がいい。
とりあえずは愚直にこの商店街の流れに従ってみるとしよう。
店先の看板が店主の性格を見事に表現している。
もう募集してないなら看板ごと外したら?気持ちはわからないでもないけどさ。
なんつー名前だ。こんな島、どう考えても絶対に移住したい。
ビ
ー
ル
MOTSUYAKI ISLANDの傍らに激安ビールが構えているなんて、この商店街はぬかりがないな。
僕は痛風持ちなので、どうかご容赦願いたい。
個性派食パン専門店「うん間違いないっ!」
以前ここの食パンは食べたことがあるけど、めちゃくちゃおいしかった。
なんだかいけ好かないからといって、食べず嫌いはもったいないので、皆さんもぜひ。
限られたポールの本数で最大限空間を潰したかったんだろうな。知恵が光っている。
僕がこの散歩をしてから記事にするまで、およそ2ヶ月の時間が流れている。散歩をしていた当時の僕にはこのお茶のお店の看板に何か思うところがあってシャッターを切ったはずなのだけど、キーボードを叩いている今の僕には何も感じられない。何を感じたのか思い出せない。
さっさと記事にしないからこうなるのだ。自戒という意味で、僕はこの写真をここに記載している。
後回しにする人生に終止符を。(新年の抱負にでもしようかな?)
お見苦しいところをお見せしまして、失礼しました。
とか何とか言ってたら商店街が終わった。とりあえず左の道を進んでいく。
ここからは何とも世田谷らしい閑静な住宅街が続いていた。
煙突から煙が出てるみたいでカワイー
ウッディなつくりと、「ちとから」って言葉の語感がちぐはぐでカワイー
そんでもってこの辺りは名前おもろアパートが多い。友達がスィンに住んでたらめちゃくちゃイジっちゃうだろうな。
「お前今日もスィンに帰んの?ww スィンに?ww」つって。
そうそう。こういう町中華があるというだけで、住みたくなるってもんだよ。あとはおいしいパン屋さんがあればにじゅうまる。
おいしそうなパン屋さん、あったにはあったんだけど。隣に独創的な家までついてきちゃった。世界観が暴走しすぎている。とりあえずこの辺りに住むのは保留にしておいたほうがよさそうだ。
サイコーな天気と道。テンション上がってきた。
サイコーの突き当りには都立高校があった。
おいおい、公立のわりになかなか綺麗じゃないか。
僕は私立高校に通っていたけど、そこと同じくらい綺麗かもしれない。
いや、僕の通っていた高校ではIDカードをスキャンして電子ゲートをくぐって登校していたし、校舎は10ウン階建てで移動は基本エレベーターだったし、僕の母校のほうが綺麗か。しかも圧倒的に。(鼻息を荒くして捲し立てる)
都立芦花高校の脇にはサイコー道part2。歩いて行こう。
む。コッチ見んな。
うわっ
やめろ
コッチ!
見んな!
うっとうしい!!
Our next destination is あのでっかい球体。
最近冷えてきたもんねえ。わかるわかる。
お、あったかそうなマフラーだね。
到着。緑の球体の正体はガススタンド。
これ、前にもどこかで見たことあるな。
せたがや百景に登録されているらしい。このガスタンクの中に貯蔵しておけるガスの量は「世田谷区の全世帯の1日の使用量に相当」するらしいけど、この文章がこしらえられた時と比べて、世帯数とガスの利用量がどのように推移しているのかは、ちょっと気になるところだな。
残りの99はまた今度。
ガスタンクの眼下にそびえたつは壁画描かれし学び舎、千歳台小学校。
なんともたいそうな目標を掲げておられる。小学校で人格が完成する人間のつまらなさといったらなさそう。
小学校なんて、うんちとかおしり程度のワードで覇権を握れるような施設だよ。我ながら偏りすぎているな。
駅からはかなり歩く(30分くらい)けど、市民プールがあるのはかなりポイント高いね。
ヘイ、ベイビーたち。そこにいたらちょっと危ないかもよ。
おしゃれな帽子だね。うん、めっちゃいいと思う。
市民プールの裏にはかなりいい名前の公園があった。
私見だけど、水の流れがある公園は素晴らしい。水って見てて飽きないからね。
公園の中に小さな橋なんかもかけちゃったりして。なんてかわいらしいのかしら。
あら、ごきげんよう。お調子のほうはいかが?
水に清められてからなんだかお上品になってきたような気がする。ザマス。
ん。見えづらいかもしれないけれど、地下に通路があるわね。行ってみようかしら。
それじゃあ、希望丘公園、チャオ!
…なんだか物々しい雰囲気があるわね。
まあ!なんて汚い言葉なの!
これはひどい下ネタだ。うんちとかおしりで精いっぱいの千歳台小の子たちにはとても見せられないな。
なんですって。怖いから見なかったことにしよ。
先の水の清めと、この地下通路とが相殺して、結局ニュートラルの僕に戻ってまいりました。ただいま。
また公園があるぞ。やたらでかい。
かわいらしい花壇feat.ガスタンク
そして突然現れる謎遊具。遊具というより健康器具らしい。
一応本体に使い方が書いてあって、その通りに使ってみたんだけど、具体的に体のどの部分に良いのか(効くのか)がわからなかった。
知らない土地でチャレンジしたことだけは評価してもらえると助かります。
公園を後にする。
すんごいフォントだ。イルヴェントロカ。どういう意味。
もうすぐ冬だってのによくもまあ咲いているね。(散歩をしたのは10月下旬)
植物っていつだってえらい。僕も頑張らないと。
マンションの植え込みから看板が顔を出す。
のっぺらぼうの看板って存在するんだ。時間の経過とともに表示が消えていったとかでもなさそう。
こんなにもしらじらしいのは、きっと誰かに言わされてるからだよね。もう、楽になっても、いいんだよ。
無生物が生物っぽく見えてくるようになると、散歩のレベルって格段に上がると思うんだよね。
その色は「みどり」なんて言葉じゃ括りきれない。「みどり」がそれぞれこんなにカラフルなんだもん。
あ、それとは別で、普通にゴミ箱は道に置かないで。
とあるフリマ大家族の住む民家があった。庭も開放していて、そこでも何かしらを売っていたけど、入り込んでいく勇気はなかった。知らない土地なの。勘弁して。
一緒に散歩をしていた友人(likka)は大の銭湯好きなので、「おお!いい!住める!住めるぞ!」と狂喜乱舞していた。
ようやく気付いたか、友よ。僕もそう思うぜ。
ぶいーーーーーん。
千歳烏山駅へ戻ってきた。反対側にもお邪魔しておかねば。
踏切を渡る。
こっち側がむしろメインなのかもしれない。午後5時前ということもあって、かなりの人でにぎわっていた。
なんか、あったかいなあ。人が帰りたい場所ってその人の家よりも、活気にあふれた商店街なのかもしれない。
水分を調達しておこう。
ここで問題。
Q.友人はこの「まいばすけっと」の前で突然「どんなときも~♪×2 僕が僕らしく…♪」と歌いだしたが、それはなぜか。
少し難しかったかな?
A.目の前に「ANY TIME FITNESS」があったから。
問題に正解できなかった人はあともう少し僕の記事を読んでもらうヨ。
レッツゴー!
これは見事なボタニカル・カーだ。
ぶぅーーーーーーーーん。
めちゃくちゃ年季の入ったコインランドリー。
扉もちゃんと開閉できるし、電気もついてるし、今でも利用者はいるのだろう。
固定電話を置かない家庭も珍しくない時代にこの看板が元気に現存してるのって趣深い。
刺さる人には刺さるんだろうなあ。
ボタニカル・ハウス。イッツビューリホー。
何とも言えぬカエルのご尊顔。注意書きを彼の奥に配置することで、あたかもそれが彼の言葉かのように思えてくる。
車が通れない理由が「道の激しい損傷」って、ワンチャン地面に穴開いちゃうよ、みたいなこと?こえー。
フリマを無人でできるくらい治安がいいんだからセキュリティーなんて要らないのかもしれない。
結構暗くなってきた。
タイルに直接書き込むタイプの自作看板は初めて見た。
駅を挟んでこちら側が「烏山」で、向こう側(さっきまで居たほう)が「千歳」なのかな。
木が囲まれてる。僕は基本的に人としか対話できないと思っていたけど、なんとなく焦ってる木の声が聴こえた気がした。僕もこの木だったらわなわなしちゃうと思う。
「公園」と「広場」の違いって何なんだろう。そもそも定義づけされているのかな。してるんだったとしたら誰がしてるんだろう。
散歩好きを自称する割に知らないことが多すぎる。
ちなみに僕の地元の足立区の各地には、何を目的として設けられたかわからない、「プチテラス」なるものが点在している。遊具とかも設置してなくて、いったい何なのか本当にわからない。
千駄山広場の豆ちしき
→象の遊具が白目をむいているみたいで少しこわい
「見ているぞー」というテンションが心地よい。
「見ているぞっ」とかのほうが効果的なのはわかっていて、わざとそうしていたとしたらかっこよすぎる。
暗くなってきたしそろそろ帰ろう。
背の高い建物がある。あれもせたがや百景の一つだったらと思うと、無視できるわけがない。
意外と近い。そしてでかい。給水塔だな。前も別の場所で見たことがある。
真下から舐めるようにして撮影すると、iPhoneのカメラの倍率を下げる必要があって、そうするとレンズが切り替わって周囲の明るさを補ってくれる機能がなくなる。だからこんなに真っ暗で見づらいの。ごめんなさい。
でも、「この暗さこそが彼らが本当に体験している暗さなんだ」ってことで了承してください。
無事給水塔も見れたし、帰ろう。ちなみに、せたがや百景には登録されていなかった。
いつだって散歩をひとたび始めると、やめるべきタイミングを見失う。そして辺りが暗くなって、夜の帳が落ちてからやっと我に返り、帰路につく。これは僕がただ単に馬鹿だからというだけでなく、散歩に底知れぬ魅力があるからだと思う。
そして今回でいえば、千歳烏山という町が僕を受け入れてくれたから、ということも非常に大きかった。
僕の住む町とはまた違った雰囲気や、あたたかみがあって「歩くこと」に没入してしまった。
あなたもここに来ればわかるはず。この記事を通して何の目的も持たずに、知らない町を歩くことの可能性を感じてくれれば嬉しい。
寒くなってきたし、風邪には気を付けてねー。
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