知らないところを歩きたい。僕の意識において、そこそこに大きい割合を占めている感情。
そう思って西永福駅へ降り立った。西永福。なるほど、知らない。知らない街すぎるし、そもそも京王井の頭線をあんまり知らない。
最高だ。歩く街なんて、知らなければ知らないほどいいんだから。
知らない字。
知らない言葉「スワガット」
知っている言葉「美味しい」
知らないまま終わってしまった何か。
商店街を抜けていきたい衝動に駆られながら、思い切って反対へと進むことにする。
あとで戻ってくるからね〜。
こっち。
あれだな、西永福はカラーコーンに背負わせすぎる傾向にあるな。
迷わせるねえ。街全体が僕を手招きしている。どこ行っても知らない場所だからね。お得すぎる。
知らない街の、知ってるキャラクター。
アップデートは怠らない。
それぞれが何なのかはわからないけど、お行儀よく並んでいて嬉しい。
これをこの順で設置した人がいると思うと尚嬉しい。
川に出た。神田川らしい。
貴方はもう忘れたかしら
赤い手拭い、マフラーにして
君はいったい誰に訴えたいの?
対岸だったか。早めに警告しておくってワケね。
川の流れに従うのにも早々に見切りをつけ、再度住宅街へ迷い込むことにする。
竹馬が柵にくくられている。が、何のために?
まさか、理由なく縛られてる?
いや、あの、全然トイレじゃないのはわかっているんだけど。竹馬を心配しているんだけど。
西永福を歩いていると、「坂の上は平らだから、勾配がきつくても諦めずに登れ!」というメッセージとも取れるアパートの名前に励まされたりする。「止まない雨はない」的な。
ほらね〜。めっちゃフラット〜。
御注意!をこんな数の言語で。
必要とされているかどうかは別として、これはすごいことだと思う。非常にパワフル。
でかい門。人力で開くの?開かないんじゃない?
誰も開けたことないんじゃない?開く気がしないもん。
これも多分開かない。
小学校の門は開いてくれよ〜?
開け方めっちゃ教えてくれてる。よかった。
さて、このサボテンで面白がってみようか。
↓ごしきさんの場合↓
サボテン「お、おっほほ。意外といけた笑 無理かと思った笑」
寿限無
、寿限無
、五劫のすりきれ、海砂利水魚の、水行末・雲来末・風来末、
遠くに駅前の商店街が見える。大きな円を描くように戻ってきた、ということらしい。
後で戻ってくるとは言ったけど、まだ線路のこっち側にいたいので商店街には気付いていないふりをして別の道へ逸れる。
それが数字だということに気が付くまで10秒くらいかかった。
西永福で謎解きゲームが開かれたら
逆立ちして見てみると…?
みたいなヒントが出されると思う。
全然両隣がたくましいだけなのに、自分で担いでいる気になっているように見えるから雑草はかわいい。
字が多い。結局どれが店名?
廃止が宣言された元駐車場と出会うのは初めて。
結構序盤で吹っ切れていた。
え?また神田川。
貴方はもう捨てたかしら
二十四色のクレパス買って
川沿いになぜか干支の動物が円状に配置されている場所があった。
西永福で謎解きゲームが開かれたら
今年はへび年だから…?
みたいなヒントが出されると思う。
ところで僕はうさぎ年なんだけど、前には虎、後ろには龍という強くてかっこいい人たちに囲まれていたので、幼少期は本当にコンプレックスだった。早生まれじゃなければ!と、自分の誕生日を変えたいと割と本気で思っていた。このエピソードのすべてが男児すぎる。
いやいや、もう大人なのでやめてくださいよ。寅年をうらやんでいたのは、かつての僕であって、今の僕はもはや男児ではなく男性であって……、
え?右のミニカーでも遊んでいいの?いいの!!!
さてと、これはできれば住みたい家。
西永福で謎解きゲームが開かれたら
今年の恵方は西南西だから…?
みたいなヒントが出されると思う。
この緩やかな坂を下りると、
左手にこれ。
右手にこれ。
と迷わされるわけだけど、「人生迷ったら、管がより多いほうへ進みなさい。管の、多いほうよ。」
と祖母に教わったので左へ進む。
ボールが入ってしまうことは了承しているのが、さすがというかなんというか、子供と目線があっていてすごいなと思った。頭ごなしに「ボール遊びするな!危険!バカ!うさぎ年!」みたいな注意書きをしたくなるはずなのに。
ピヴァ教室もある。しかもェージュ。(?)
でけえ公園にぶち当たった。水の流れがある公園は総じて美しい。
美しい公園には当然野鳥も集まってくる。
嫌われすぎ。僕は好きだよ。だいじょぶ。
杉並区でバットを振っているのは大体ネコ耳少年。
危険じゃない花火は申請すればできるらしい。
僕が杉並区長だったら「危ないしうるさいから花火なんかするな!ぼけ!うさぎ年のくせに!」とか書いてしまうと思う。
さっきよりボリュームは少ないけど、でもまだ多いよね。言語が。
どうやって停めるの?
控えめな「いらっしゃいませ」に魅せられる。
僕が知らない字なのわかってて書いたでしょ。
寒空の下で食べるカップ麺が一番うまいのは、杉並区も同じなのね。
そんなこんな(歩きすぎて隣駅の浜田山駅まで行ってしまい、急いで軌道修正した)で戻ってきた。
やっとこさ渡るぜ。初めて海に出たときのコロンブスもこんな気持ちだったのだろうか。
これはあそんでいいよって書いてない…。
大学!!
実は大学に入るのが好き(学生です、みたいな顔ができるのが気持ちいいから)なので、散歩中近くに大学があると大体立ち寄るようにしている。
高千穂大学、名前は聞いたことあるけどまさか本当に東京にあるとは。宮崎県にあるかと思ってしまう大学ランキング1位すぎる。
不二家のレストランなんてあるんだ。
高千穂大学に着いた!!!!
キャンパスは広いかな~? 私学だから食堂とかトイレとか綺麗かな~?
期待を膨らませて入ろうとしたけど、大学入学共通テストの日だったので正門で警備員の方に止められてしまった。
なんでこんなことに。
しかも、なんか雨とかも降ってきた。
なんなんだ。
そして、分かれ道。
いやそっち行ったって入れてくれないんでしょ?
真ん中を進みますよ。
古めかレジデンス。
ご覧ください。「第2大宮パークサイド」ですって。
つまるところこれは近くに公園があるということなんですよね。
散歩ヘッズをナメないでいただきたい。この嗅覚なんですよ。
ほぉらほら。あるでしょ?
あったから何とかではないので、道に戻る。
見やすさよりも重要な何かがあったから、手前についてないんじゃないかな。
「早寝早起き朝ごはん」運動実施中←わかる
体験の風をおこそう←わかりづらい
入れてくれないなら目の前に現れないで!
心優しい人がここらにはたくさんいて、その人みんなが報告してくれたんだろうな。
安いのは無条件にありがたいんだけど、いったいなにから5割~9割引きなんだろう。
サミット本部の入口は鏡張りだった。
世界一入りづらいchocoZAPとしてギネスに認定されるのも時間の問題。
色遣いとデザインが、無人餃子販売所とは思わせない。
知っている場所へ戻ってきた。暗くなってきたし帰ろう。
また来るかはわからないけれど、心に残る街だった。受け入れてくれて、ありがとう。
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