僕とlikkaが仲良くなったのは中学3年生の時にクラスが同じになったことがきっかけだった。
僕たちは今年で22歳なので、かれこれ7年くらいになるかな。もっと長いかと思ってた。
彼は今住んでいる、つまり僕たちが出会った中学校があった地域に、小学校低学年の時引っ越してきたらしい。
それは何となく知っていたけど、前住んでいた場所がどんなところかは知らなかった。
「いいけど、たぶん俺、一人で勝手に盛り上がっちゃうよ」と言われたが、半ば強引に連れて行ってもらった。
という事で今回やってきたのは、千葉県は市川市。降り立った駅は「京成八幡(けいせいやわた)駅」。
「ようこそ 京成八幡駅へ」と歓迎している割に改札とトイレしかない小さな駅だった。でもプラレールが走っていたのでプラマイゼロ。年甲斐にもなくワクワクしちゃった。
駅前はかなり背の高いビルが多かった。いかにもニュータウンといった感じ。
likkaによるとサイゼリヤ(最後の文字は”ア”ではなく”ヤ”なので、この際皆さん覚えておきましょう)の一号店が近くにあるとのことなので行ってみることにする。
おー。あったあった。かなり年季が入っているが、どうやら今は営業店舗としてではなく、サイゼリヤの記念館として使われているらしい。
えーー!見学したかったー!事前に知っていればなあ。悔しいなあ。これを読んでくれている方、もし八幡に行く機会があればぜひ行ってみて。僕たちの無念を貴方達に託す。前日までに連絡を忘れずに。
フォントで損をしているタイプの喫茶店。「どうぞ…。」がお化け屋敷感を加速させている。
「こういう喫茶店、千葉には多いから。」平気な顔をしてlikkaが嘘をつく。嘘と決めつけるのはよくないが、嘘をついているときの顔で言っていたので、きっと嘘。そもそも「こういう喫茶店」ってどういう喫茶店だよ。
なんなんだ。こいつは。
しばらく京成線の線路沿いに歩いていると、likkaにも見覚えのない建物が見えてきた。
なんだろう。この現代的な建物は。まるで六月中学校みたいじゃないか!(六月中は足立区にある公立の中学校。所謂地元トークである)
近づいてみると市川市役所だった。けれどまだ工事をしていたので、入ることは叶わなかった。タイミング、いとわろし。
線路を挟んで市役所の向かい側にめちゃくちゃかわいらしいジェラート屋さんがあった。この日はほんの少し暑かったのでジェラート休憩を取ることにした。お店の周りは子連れの家族でにぎわっていて、男二人でなんかごめんなさいって感じだった。
プレーンヨーグルト味を選択。値段は忘れた。プロ意識の欠如。美味しそうにジェラートを口に運ぶlikkaだったが、こいつ、お店を発見した時に僕と同じようなリアクションを取っていた(お!こんなところにジェラート屋さんが!的な感じだったと記憶している)。おそらく今回初めてこのお店の存在を知り、初めてここのジェラートを食べている。見たところ、結構老舗っぽかったけどな…。本当に住んでいたことあったのかな…。
駅前は背の高い建物が立ち並び、交通量も人も多かったけれど、そこから20分も歩けば田舎と呼んでも差し支えない程度には落ち着いた町並みへと変化していた。
Twitterのトレンドに「金木犀」が入っていてもおかしくないくらい金木犀の香りがした。もうすっかり秋になったのね。いとをかし。
llika「あの突き当り、左に曲がると『ドゥン』ってまっすぐの道が続いてるよ。」
確かに「ドゥン」って大きくてまっすぐな道が続いていたし、それは大きな「ニッケ」もあった。
…歩いていた時から「ニッケって面白いな、絶対記事で書こう」と決めていたんだけど、こうして文章にすると一つも面白くない。びっくりするほど面白くない。過去の自分との約束なので書きのこしておく。戒めも込めて。
で、いったい彼が前住んでいたのはどのあたりなんだろう。駅前でもジェラート屋さんでも「懐かしい」という言葉を発さなければ、発する気配すらない。
ごしき「ねえ、あなたどこに住んでいたの?」
likka「え?行く?ここから20分はかかるよ」
もう既に駅から20分は歩いているのにここから更に20分…? 最寄りって言葉の意味知ってる…?
こりゃあ一筋縄ではいかないな。だが乗りかかった舟だ。どこまでもついていくぜ、相棒。
to be continued…(長くなりそうなので区切ります、すみません)
後編はコチラ
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